健康住宅とは、
丁寧な食事の時間が
あること。
高い断熱性能や
自然素材で
つくられた家だからこそ、
日々の暮らしの時間を
豊かにすることで
より健康に。
エコハウスを設計する上で私が一番大切にしているのが、食卓空間であるダイニングをゆったりとつくること。
リビングよりも大事にしているかもしれません。ダイニングテーブルは基本1800mmの長さで考えます。このサイズは一般的に6人掛けと呼ばれますが、正直狭く4人でゆったりとした感じだと言えます。
なぜ1800mmか?
ダイニングは食事をする場所でもあり、子供が本を読んだり絵をかいたり、宿題をする場所でもあります。だから長くすることで、ひとつのテーブルでお茶を飲むことや、書き物をすることが同時にできます。いろいろな時間を共有しながら会話が生まれコミュニケーションが成立する場所となります。食卓空間は家族のコミュニケーションの場として家の中で一番大切な空間だと思います。
丸テーブルは人の距離が縮まり、物語のような時間が生まれるので捨てがたいです。
食卓が狭かったり、人の動線が交錯して落ち着かない場となってしまうと残念です。
毎日の生活の中で繰り返される食事の時間が、心身的にゆとりをもって過ごせることは子供の教育はもとより、親の気持ちにも余裕が生まれ、相乗的にいい結果をもたらしてくれる。
毎日のように魅力的な時間が生まれるわけではありませんが、そんなきっかけが生まれる場所をしっかりと考え、設計することは家づくりの中で一番大切なことなのです。
いろいろな思い出が食卓から生まれ、刻まれていく。
長寿命で健康素材でつくられたエコハウスがもっともっと健康住宅となるために、棲まい手である家族とたくさんの会話をし、暮らしについて一緒に考えていきたいですね。