家具の選び方

2023/8/29

家づくりにとって家具選びは一番大切なこと。ソファのサイズ、形、どこのブランドなのか、ダイニングテーブルは何人掛けなのか、丸テーブルを入れたいと思っているとか将来的な夢も含めて。

なぜならば家具に合わせた家のプランニングをしておかないと、あとでとても狭い空間になって使いづらくなったり、そもそも入らないとあきらめることが起こります。

また使う家具がより引き立つように家の設計・デザインもコントロールをすべきです。

好きな家具のある家で毎日の生活があることはとても楽しいもの。好きな家具を大切に使っていくことで暮らしの思い出が家具にも染み込んでいきます。

まだはっきりと決まっていなければ、暮らし方をしっかりとヒアリングして提案、アドバイスも必要です。ひとつの家具を選ぶことで、そのまわりの家具やインテリア、雑貨や花などへの関心やアイデアが住み手に生まれ、家を楽しむきっかけが増えてくる。もちろん年齢やライフスタイルの変化によって将来使っている家具を変えることもいいことだと思います。その時にアレンジしやすい空間にしておくことも家づくりには重要です。

一瞬の流行りに乗ってデザインするのではなく、それが味になっていくようにアレンジや工夫をしておけば長く愛着のあるいい家になると思います。

では家具を選ぶ上での判断基準をご紹介します。

まずはなんといってもダイニングテーブル。食事をしたり、友人とお酒を飲んだり、読書や勉強をしたり暮らしの中でさまざまな使い方をし、多くの時間を過ごす中心的な家具だからこそ一生ものになるようにしっかりとしたものを選びたいです。大きさは長さ1.8mからできれば2mくらい大きいとワークテーブルのようで使いやすいです。1.8mで6人掛けと紹介されますが大人が座って4人掛けと考えるべき。賃貸暮らしの時に部屋の狭さの問題で4人掛けで長さ1.35~1.5mくらいのテーブルを使うことが多いですが、4人座るとユッタリとはできない。2~3人家族なら問題はありません。4人以上の場合は大きなものに買い替えることをお勧めします。

 また丸テーブルは家族が中心に向かい合って食事をすることができ、とても雰囲気のよい空間となります。こだわりのペンダントライトを下げるとなおいい感じですね。大きさは直径1.1mくらいが丁度いいと思います。1.2mでも広くて使いやすいのですが少しお互いの距離が離れるのでかわいらしさは薄らいでしまう気がします。丸テーブルは食事以外の作業と角が丸い分狭くなるため少し使いづらくなります。

ただ独特の存在感と「家族で食事をする」という空間づくりには一番適しています。

 そしてダイニングチェア選び。すべて同じものでなくてもいいと思います。すべて同じものにすることが普通ですが、椅子もこだわるとどんどん高いものになります。だから例えば夫婦の椅子はいいものを買う。夫婦それぞれ気に入った椅子を選ぶ。子供の椅子は大きくなった時に買い替えることになるのでその時に選ぶ。人数分の椅子でもいいしベンチタイプでもいいと思います。別々の色や、形のものが集まっていても楽しいです。先に述べたしっかりとしたダイニングテーブルがすべてを包み込んでくれます。

 大人の椅子は肘掛けタイプをお勧めします。肘をのせながらユッタリと椅子に座って食事をすることができます。肘掛けがないと自然とテーブルに肘をついて前のめりに座る時間が多くなりくつろげなかったり、椅子に座っていることがつかれてしまったりします。

 座面は木だと手入れが楽ですがお尻が痛くなる。結果専用の敷物やラグ、クッションなどを椅子の上に敷くことになりがちです。個人的には椅子はそのデザインの中で機能が完結していてほしいので補助的な敷物を避け、椅子自体の座面がファブリックや籐のものを選んでしまいます。痛みや汚れはするけど座り心地は一番です。革はもう少し手入れが楽ですが革独特の硬さと温度、強い存在感となりやすいので選び方に慎重になってしまいがちです。革でも色目のやさしいものやヌメ革、牛革や馬革で少しラフな表面のもの、ツヤツヤしていないものだと格好いいですね。

 

 リビングにはソファ。部屋づくりの主役のような家具です。

当然プランニングをする際にはソファと正面に大きめのテレビを配置していきます。

「ユッタリとしたソファで映画を見る」

そのためにはソファの長さは2000mm以上がいいと思います。2人が座っても適度に距離感ができてリラックスして座ることができます。また独り占めした場合は寝そべってもソファの中に体が納まります。わりとソファにまっすぐ座ることは少なく、横になってクッションを枕にしていることが多いと思います。まっすぐ座って楽な体制となるためにはオットマンやカウチソファを選択していくことになります。

 最近思っていること。リビングには一人掛けのソファとオットマン。床でリラックスする人用にラグとクッションでもいいのかなと。ラグも面白い柄のものやアンティークでも楽しいですね。

日本人は床に座ることが体に染みついているのでソファがあっても床に座ってソファの座面を背もたれにしていたりします。きちんとソファに座りづつけるためには肘掛けやいくつかのクッションを体の脇に置いたり、脚を伸ばすためにオットマンやカウチソファを選ぶことでソファの上で体が楽になるように固定したくなるのだと思います。でもオットマンやカウチソファとなるとリビングがどんどん狭くなったりごちゃごちゃしたりしやすい。一番の理想はリビングをもっと広くして2000mm以上のソファを対面かL型に2セット配置できるといいですが、そのために必要なリビングは18畳くらい。

なかなかそんな設計はできないからこそ、リビングの使い方をしっかりと考えなければいけないですね。

 またソファの前のローテーブルはなくてもいいと思います。その代わりソファの横あたりに小さなサイドテーブルを置いて、カップやリモコンなどの場所とする。テーブルの代わりにアルテックのスツール60を置くのも面白いです。困ったときはダイニングの椅子にもなります。

 テレビ台も悩ましい家具のひとつです。用途はTVを置く、DVDプレーヤーを置く、ゲーム機やDVDなどをしまっておくこと。家電屋さんで売っているTV台だけは絶対に避けたいですね。でも家具で置くとしっかりと存在感が生まれます。空いているところに花や絵、小物を飾ることでTVという機械的なものの存在を和らげてくれるので好きな家具ではあります。

ただ最近は壁掛けテレビも普及してきたのと、DVDプレーヤーも配線だけ計画しておけばTVの下になくても操作できるような電波方式となってきたので必ずしも必要ではなくなりました。テレビ台は家具としてはそれなりに高価なものになりやすいので不要になるのであればなくしてもいい時代になったと思います。ただ私の考えが偏っているのかもしれませんがTVを壁掛けにするととてもスッキリするのですがそのスッキリさが何か落ち着かない。壁だけに向かって座ることへの違和感のような。TVの下に奥行きの浅い飾り棚をつけて少し物を飾ったりするデザインもありますが、まだまだ私の中で正解がでていないですね。

 

 私の主観ですがダイニングテーブル、ダイニングチェア、ソファ、ローテーブル、TV台の5つの選び方について紹介させていただきました。

その他の家具もありますが、私の家具の選び方の基準は「いろいろな色が混ざっていい」です。

トータルコーディネートといってLDKの家具をすべて同じ色や材種でまとめることが多々ありますが逆に異質なものを置きたいと思った時に浮いてしまうことがあります。家の中には家具以外に照明器具やグリーン、壁に絵を飾ったりさまざまな色が入ってきます。食器や家電、子供の工作、本や置物などなど。たくさんの色が混ざった空間こそがその家族の暮らしが現れ、その家の個性になります。趣味が変わって今までと違ったものが1つ加わることもまた新たな色が混ざって家を引き立ててくれます。

モノにあふれている家もかっこいいと思います。適度に掃除と整理整頓はしてくださいね。

「焦らず、気に入ったものが見つかったらそろえていく」

探していることも楽しいです。そんなスタンスで家具を選んでみてください。

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