エコハウスは
エコボードを下地とした外壁。 日本の一般的な住宅と違い、 通気層を持たない構造。 だからできることと、 できないことがあります。
エコボードは室内から外部へ湿気が抜ける「透湿」という構造を大切にしています。
普段の生活の中では私たちの呼吸やキッチンなど湿気を含んだ空気が発生しています。これらはどこか逃げ場を探し、温度差のある部分へと移動していきます。よく事例に上がる北側の押入れの壁や、壁の中で断熱材が施工不良で入っていないところや断熱材が入っていても温度差が大きなところに「結露」として発生します。高断熱化、空調機器の充実に伴い「いたちごっこ」のように頭を悩ませてしまう問題です。
私たちが木造にこだわり、自然素材にこだわり、エコボードにこだわる理由がここにあります。
近年の日本の住宅建築は、高気密とするために湿気を壁体内に侵入させないように防湿フィルムを設置したり、そもそもビニールクロス自体が湿気を通さなかったりするので、室内に出た湿気を機械換気で強制的に外部に排出するケースが多い。でも電気を使い続けることはなんだかエコじゃない気がしてしまう。
木造住宅の壁や床の木材、私たちが標準としている漆喰や珪藻土は空気中の湿気を吸ったり吐いたりしながら調湿してくれます。その効果を確保するために床などに塗る塗料もドイツ製の植物性ワックスを使い、呼吸するものとしています。そして壁や天井の中にある木製の柱や梁も壁体内に発生した湿気を吸う効果があります。
そこがカギです。
私たちは注文住宅をはじめてからずっと「透湿」にこだわってきました。つまり室内の湿気が家の外に抜けてくれる構造となるような材料で家をつくることです。外部の耐震パネルや断熱材、内装の仕上げ材です。そうすることで室内で発生した湿気が結露するポイントをなくすことができるのです。
無垢のフローリングや板壁で囲まれた家の温かさや空気感の良さを知っている私たちは、やはり日本には古来からの木造軸組構法がいいと考えています。
そこに不足していた開口部や断熱の性能を現代の良いものでカバーすることで室内空間がとても良いものになる。
その断熱材こそエコボード。木だけでできている断熱材なので、調湿性能はダントツです。
その代わりに調湿の性能を最大限に発揮するために外壁については透湿性を持った塗り壁か板壁のみの選択となります。ガルバリウムやサイディングが使えません。ごめんなさい。でもこれもひとつの選択。
塗り壁と板壁で家をデザインする。 実は設計者としてはとても贅沢でうれしいことです。どうしてもコストのために化粧サイディングなどを主体としたデザインはあまり楽しくない。特に化粧サイディングなどは将来塗り替えた時にその模様を再現することは不可能です。 それは建築時に意図したデザインが将来変わってしまうということ。なんだか家に対する思い出も少し消えてしまうようです。
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