つくるをはじめたきっかけ

2024/8/29

 

「つくるをつなぐ」プロジェクト第1回対談参加者(写真左より)
 
HOLLY WOOD BUDDY FURNITURE :和田 健太郎
環境住宅研究所 ECO HAUS:原田 純花
環境住宅研究所 SOHNE GARDEN:真弓 美砂
HOLLY WOOD BUDDY FURNITURE:宮嶋 浩嘉
HOLLY WOOD BUDDY FURNITURE:辻 のぞみ
UCHIWA:三谷 勇太
環境住宅研究所 ECO HAUS:神野 大輔
 

 

 

 

1. ものづくりをはじめたきっかけ

神野ー
東京の大学で建築意匠を学び、名古屋の老舗の組織設計事務所へ入社しました。そこでは公共建築や銀行、商業施設など大規模な設計をしていました。学生の頃は建築家が設計するような大規模建築に憧れがあり、自分もそういう設計がしたいと思って仕事を始めたのですが、設計を重ねていくうちに何か自分には合わないなって思いはじめたんです。それは大きな建築のスケール感が設計をしていてしっくりこない、楽しくないなって。大規模物件の打合せは一担当者で、できあがったものに対して自分のものではないのでそれほど思い入れがなく、どこか真剣身に欠けている気がして。元々40歳くらいになったら住宅の設計をしたいなと考えてはいました。住宅設計はお客様が自分の家を建てるために1000万円単位のお金を準備して真剣勝負で相談してくるので、こちらも真剣に設計に向き合えるから。そんな中勤めていた事務所の仕事内容があまりよくなく、経営的にも不安定になってきたので、少し早いけど28歳で住宅の設計士になりました。

 

宮嶋ー
初めはインテリアデザイナーがやりたいと思い、公共建築の家具のデザインをする会社に勤めました。時間が経つにつれてなんかリアリティがないなって感じはじめたんですよ。「木」じゃないなって。そんな時に高級旅館の縁側の猫脚の安楽椅子とテーブルをデザインすることになったんです。上司の紹介で老舗の家具屋さんのベテラン職人のおじいさんに会いに行くことになったんです。その方は言葉は多くないんだけど、「じゃあ教えてあげるよ。」って何を教えてくれたかというと、猫脚の木型を全部出してきてくれて、「これを全部持って帰っていいからその中で自分の好きなものをつくりなさい。」と言ってくれたんです。そしてその中の1つで実演をしてくれたんですけど、見る見るうちに猫脚の原型ができあがっていったんです。その時、「あれ、俺なんにもデザインできてないな。よしつくろう。家具職人になろう。」って思いました。無垢材で、自分で手を使って家具をつくることにしようと27歳で独立しました。

 

三谷ー
僕は工業高校の機械科を出て、大手電機メーカーへ就職しました。でも仕事が自分にあっていない気がして。仕事が全然楽しくなかったんです。少しずつ悩みはじめていた中で、20歳の頃に上司に「高卒だとどれくらいの役職になれるんですか。」って聞いたんですよ。そうしたら「高卒だったら課長になれればすごいんじゃない、主任でもすごい方だよ。」って言われたんです。その時、自分も世間を知らず若かったっていうのもあるんですけど「それじゃあ、夢がないな。」って、これから40年働くことを考えたら続けられないなって思ったんです。であれば自分が独立して先頭に立ってやれる仕事がしたい、自分の感覚、感性で勝負できる世界で仕事がしたいと思ってカメラマンという仕事を見つけました。仕事をしながら専門学校に通い、最初はブライダル写真を撮る会社へ就職。その後広告写真の会社でアシスタントを経験し、建築写真を撮る会社にも勤めた後に、29歳でフリーのカメラマンとして独立しました。

 

真弓ー
私は小さい時から自分が働くっていうイメージが湧かなく、じゃあ家庭に入るイメージがあるのかっていうとそれもなくて。ずっと工作が好きだったのでデザインの高校へ行きました。(真弓と辻は実は同じ高校の同級生)建築へのあこがれもあったんですけどどうしても建築って数字とか法律とか難しいイメージが強くて。その時たまたま見た美術大学の彫刻の展示があって、そこで何か立体になるものをつくっていく世界ならいいかもって思い、芸術大学の彫刻科へ進みました。いざ仕事をすることを考えた時に、じゃあ彫刻をつくりたいかというとそうじゃなくて、つくるだけじゃなくて彫刻のある空間が好きだということに気づいたんです。取り巻く空気、配置していく作業というか、何か部屋をつくっていくみたいなことがしたいと思って。それで先輩の紹介でリフォーム会社の展示場のバイトの仕事からスタートしました。その後社員になったんですけど何か違うなと思って1年程過ぎた頃に、その時グループ会社だった環境住宅研究所でお庭の事業を新規に始めることになり、声をかけてもらい転籍したんです。仕事をしてみると展示場や事務所もとても雰囲気がよくて、オフィスワークじゃない環境があって、自分にフィットしていると思いました。そこに神野さんがいる部署があって、今に至っていますね。

 

辻 ー
私は中学生の日記に「家具職人になりたい。」って書いていたんです。その中には建築家とかもありましたが。小さい頃はシルバニアファミリーが好きで、バルサ材とかで家具をつくっていました。だから高校はデザイン科に通い、大学もインテリアの勉強をしたんですけど、デザインをやっても職人にはなれないなって思ったんです。つくらないとどうデザインしていいかわからないし、どう発想していいかわからないから。だから職人を目指そうってそこで決意しました。大学の時にインターンで行ったアトリエ設計事務所の所長さんに「私、家具職人になりたいんです。」って話したら家具屋さんをいくつか教えてくれて、その中にHOLLY WOOD BUDDY FURNITUREがあったんです。それで実際にお店に行ったら宮嶋さんに会うことができて、「女の子で家具職人って難しいですか。」って聞いたら、むしろ女の子にしかできないことがあるんじゃないって励まされたんです。その時は募集をしていなかったので卒業後は何も知らずにフラッシュ家具をつくっている町工場に就職しました。その後にHOLLY WOOD BUDDY FURNITUREで求人募集があったので面接を受けたんですけど、私の面接なのに宮嶋さんの方がたくさん夢を話してくれて(笑)、この方面白そうだし、そんな風に家具をつくっているんだったらいいなあと思って入社しました。HOLLY WOOD BUDDYに入って、自分がやりたいことを目指して入ったんじゃなくて、宮嶋さんから自分がやりたいことを気づかせてもらったんだと、8年経って実感しています。

 

原田ー
小さい頃から運動が好きではいろいろなスポーツをしていました。とにかくやりたいことがたくさんありすぎて、将来の夢はコロコロ変わっていました。大学進学の時に警察官になろうと思ったのですが時期的に手遅れで、じゃあ昔から絵や図工が好きだったのでデザインに携わる仕事がしたいなと思って、その中にインテリアや建築があったので建築の大学に進学にしました。ただ授業の中で大きな建築を考えたりしたんですけど、そういった建築をつくりたいかといってもピンとこなくて。もう少し身近なものをつくりたい、「家」の暮らしの空間をつくりたいと思いました。ただ就職活動をしている中でそういったところまで設計として仕事ができる会社が見つからなかったんです。そんな中環境住宅研究所の面接の時に、私も神野さんにお会いして神野さんの思いもすごくたくさん聞いて(笑)、その中で「家をつくるっていうよりも、暮らしをつくるんだよ。その人がどうやって暮らすかみたいなところを形にしたらそれが家だよ。」って言ってくれて、私がつくりたいものをそういったことだと思い入社したというか、神野さんの下で家づくりを学びたいって思ったのが入社のきっかけでしたね。

 

和田ー
僕は大学で建築を学んでいたんですけど、漠然と小学生の時に建築家になりたいという夢を持っていました。卒業後就職したデザイン事務所がインテリアやグラフィックの仕事をしていて、その中に家具デザインもいくつかありそこで家具に興味を持ったのが最初のきっかけでした。デザイン事務所では自分はラフ画だけ描いてあとは外注してしまうことが多かったので、いざできあがったものを現場に確認しに行ったら自分のこだわっていたポイントとかが100%、120%表現できていたかというとそうではなく、もどかしく感じてしまったんです。自分のこだわりとかデザインしたものが納得できるのは「自分でデザインしてつくること」と思って、家具であればそれができるかなと思ってこの業界を志しました。地元の横浜の好きな作家さんのところに遊びに行った時に、職業訓練校での勉強を進められ仕事を辞めて1年通いました。卒業後、またその方にお勧めの家具屋さんを聞き、その中にHOLLY WOOD  BUDDY FURNITUREがありました。その後、たまたまインスタグラムでスタッフ募集を見つけたので、見た瞬間にすぐ連絡をしました。
   辻 ー (求人出して)2日後くらい
   宮嶋ー 早かったよねー、本当に早かった(笑)
それで面接に来るまでにホームページでどんな人なんだろう、どんな家具をつくっているんだろうって調べていく中で、宮嶋さんのblogを見て感動したんですよ。この話するといつも感極まっちゃうんですけど…(涙)宮嶋さんの切り取る風景とかコトバとかがすごく好きで、憧れを持って来てみたら面接の時間が気付いてみたら大体4時間半くらい話していて大体宮嶋さんが話してくれていました(笑)。その後弟子として取るよって言ってくれて今に至っています。

 

 

 

 

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