スマートハウスやネットゼロエネルギーハウス(ZEH)など、家づくりにおいて「省エネ」の時代となった今、「未来の家づくり」について真剣に考えるようになりました。
これから建てる家が100年先もずっと住み続けられるように、取り組むべき課題は「省エネ」だけでなく家の「長寿命」にも取り組むべきと考え、そこで生まれたテーマが「二十二世紀までのこる家」づくりでした。
長く住み続けられる家を実現するためには何が必要なのか?
どのような考え方をすればよいのでしょうか?
現在の日本の家は長持ちする
技術が発展し、日本の家は随分と長持ちするようになりました。
地盤調査・改良を行い、基礎もしっかり施工し、防湿対策も行われているためシロアリが発生することも少なく、高度経済成長期の大量生産された家と比較すると、格段に性能が上がり寿命が延びたのは間違いないと言えます。
長く住み続けられないのは価値が下がるから
家の寿命が伸びたにも関わらず、日本の家はいまだに25年ほどで建て替えられることが主流です。
その理由として第一に挙げられるのは資産価値の低下です。
日本において住宅の価値は年々減少します。せっかく何千万円ものお金を投資して家を建てても、およそ25年でその市場価値が0に近いものになってしまうことがほとんどです。
資産価値がないのに修繕費用などのコストばかりがかかってしまう…
25年という期間が建て替えを考えるターニングポイントになっているのは事実です。
流行りに合わせた家は飽きてしまう
これも家が長持ちしない要因ではないかと考えています。「まだ住めないことはないけど、デザインや間取りが時代遅れで古臭くみえるから」という理由で建て替えをされている方も多いです。
もっと言えば、家に愛着が持てないから建て替える。それが今の日本の現状だと思います。
ヒントを得たのはポルシェ
ドイツではポルシェが一番、寿命の長い車だと言われています。
もともと高級車としての価値の高さが大きな理由として考えられるのですが、それ以上に「オーナーが愛着を持って乗っている」「シンプルな構造でメンテナンス性に優れている」という点が大きい。
この考え方は家でも同じ。
家は手を加えながら住み続け資産価値を高めていく価値観があります。
愛着が持てメンテナンス性に優れていれば、家も建て替えずに長持ちさせるのがドイツです。
飽きないデザインを大切に
エコハウスの家は構造もデザインもシンプル。
確かに「○○風」という流行を追求したデザインも素敵です。しかし、流行りはやがて廃れるもの。
エコハウスでは流行りに合わせたデザインではなく、普遍的に受け入れられるデザインを重視しています。また庭や家から見える風景なども大切にし、緑を暮らしに取りいれた空間提案もしています。
経年変化を楽しみ、家を育てていく
現在、日本の家づくりで多く使われているのが壁にはビニールクロス、断熱材にはグラスウールなど石油からできた建材です。
エコハウスではこうした石油由来の建材は使わず、たとえ傷つきやすくても無垢材のフローリングや肌触りやぬくもりを⽣かした植物性の塗料、ひび割れはしても修復できる漆喰など自然素材を活用した家づくりを行っています。
経年変化を味わいながら日々の小さな手入れを行うことで、家のメンテナンスは容易になり住み心地は増していきます。手入れをして長く住み続けることで愛着がわき、さらに手入れを重ね長く住み続けられる家に育てていく。
エコボードが家を包み込む
いくらデザインが飽きない家、愛着がある家、メンテナンスが楽しめる家であっても、快適だという前提がなければ成立しません。
エコハウスの家は、断熱性能に優れたエコボードで家全体を包み込むため、夏は涼しく冬は暖かい空間を維持できます。また気密、透湿性能も高いので壁内結露が起こらず、メンテナンスも容易で家の寿命を延ばすことにもつながります。
日本では新しさを追い求めて建て替えをする。
でも世界的に考えると手を加えながら住み続けることに価値があり、利便性の追求だけでなく省エネや住まい手の健康面への対策が施された長寿命で資産価値の減らない家を建てる時代が来ています。
家づくりの際には「長持ちする家かどうか?」という点も含めて考えてみてはいかがでしょう。